●天地創造
「神が天地を創造した初めに『地は荒涼混沌とし闇が淵をおおい、暴風が水面を吹き荒れていた。』『光りあれ』と神がいった。すると光りがあった。神は光をみてよしとし、光りと闇を分けた。神は光りを昼と呼び、闇を夜と呼んだ。夕となり朝となって、一日が終わった。このようにして神は二日目に大空をつくり、三日目に陸と海をつくり、陸に植物をつくった。四日目に太陽と星をつくり、五日目に魚と鳥をつくった。六日目に、『我らの像に似せて人をつくろう』とし、地上、天空のすべての生物を従わせた。こうして天地万物が完成した。七日目に神は休み、その七日目を祝し、聖日とした。『これが天地創造の次第である』。」
現代の科学からみると、何の説得力もない矛盾だらけの作り話です。そもそも、四日目に太陽と星なら、初めの光は何だったのでしょうか?そして、一体、このような神をつくったのは誰なのでしょう。この疑問に答えることのできるキリスト教徒にお目にかかったことはありません。そこで、正しい解答を用意しました。旧約聖書で説かれる神をつくったのは、古代ユダヤの民族なのです。
●アダムとエバの物語
神が最初に造り上げた人間を「アダム」と呼んでいます。
アダムは土(アダマ)の塵ち りからつくられたのでそのように名付けられ、アダムのあばら骨の一つから造り出されたのが「エバ(イブ)」でした。これにより、この世には男(アダム)と女(エバ)が存在することになるのです。これが有名な、アダムとエバの話であり、最初から因果を無視した妄想の物語で始まっているのです。
この他、『旧約聖書』にはさまざまな〝道理に反した物語〟〝因果を無視した物語〟が描かれています。
同書に登場する神ヤハウェは、人間に対して実に厳しく、他の神を信じる者を許さない一方、「神を信じ、正しい行ないをする者を守る」などと言っています。その神が、ユダヤ人の指導者として選んだのがモーセで、彼はユダヤ人を率いてエジプトを脱出し、「カナンの地」へ戻るように命じられます。「カナンの地」とは、現在のイスラエルがあるパレスチナ地方のことです。ここは神がユダヤ人の祖先アブラハムに対して「与える」と約束した土地(「約束の地」)で、ユダヤ人はここを勝手に自分たちのものと考えました。現在もなお続くイスラエルとパレスチナの争いにおける、イスラエル側の根拠がここにあります。
●神から授かった「十戒」
モーセが苦難の末にユダヤ人をエジプトから連れ出し、カナンの地へ戻る途中、十か条からなる神との約束を交わし、授かります。これが「十戒」です。
十戒には、「ヤハウェ以外を神としてはいけない」「偶像を造ったり拝んだりしてはいけない」などの条文があります。ここにも、ユダヤ教の特徴である「神は唯一」という信仰が示されていることがわかります。その他にも神は、ユダヤ人が守るべきいくつかの項目を示し、「人を殺してはいけない」とも明確に書かれているのですが、ユダヤ教をはじめ、ユダヤ教から派生したキリスト教やイスラム教の外道たちもまた、戦争や紛争を頻繁に行い、テロや殺人も茶飯事なのが歴史の事実です。
これらの宗教は、神の思し召しを理由に殺人や戦争を正当化したり、神を用いて美談にしたりする、言わば〝神の思し召しなら何をしても良い〟ここに矛盾、宗教の正邪を判断しないといけません。